私たちは、身近な人に対して、
期待や不満を抱きがちです。
「どうして私の気持ちを分かってくれないの?」
「なぜ、そんなことをするの?」
「頑張っているのに、褒めてくれない…」
そんな風に、相手の言動に一喜一憂してしまう経験は、
誰にでもあるのではないでしょうか。
しかし、これらの感情の根源には、
「相手を変えたい」という無意識の欲求が潜んでいます。
コントロールできない相手に執着する苦しみ
私たちは、相手の発言も、行動も、その心の動きも
コントロールすることはできません。
それは、今日の天気を変えようとするくらい困難なことです。
もちろん、自分の気持ちを伝えることで、
相手が配慮して行動を変えてくれることもあるかもしれません。
しかし、それは相手があなたの気持ちを受け止め、
相手が自らの意思で変化を選択した結果に過ぎません。
いわば、「気を使わせた」だけであり、
あなたが直接的に相手をコントロールしたわけではないのです。
この相手があなたに合わせて、配慮して変えただけの経験をまちがって解釈して
自分の気持ちを言えば、相手はそれに従うようになると誤学習すると
気に食わないことがあると言えばいいと、
自分が生きやすいために、相手を変えてしまえばいいとなり
ここを自分の気持ちを大切にすることと勘違いすることもありますが
これは冷静に考えると、それはかなり自己中心的で、無理な願いです。
そして、相手をコントロールしようとすればするほど、
思い通りにならないこともあり、
その現実に私たちは苦しむことになります。
結婚、そして繰り返される関係性の悩み
私たちはこの苦しみから逃れるために、
「相手を変えれば良い」「職場を変えればいい」と考えがちです。
しかし、それを何度かやってもうまくいかないときに、
もしかしたら、自分に原因があるかもしれないと、
はじめて自分と向き合うという作業をしようとします。
たとえ、今のパートナーが合わあいから、
離婚して新しいパートナーを見つけたとしても、
同じような悩みを繰り返す可能性は大いにあります。
なぜなら、問題の根源は相手ではなく、
「相手を変えようとする自分自身のあり方」にあるからです。
相手を変えるより、自分を変えるという合理的な選択
相手はコントロールできない。
しかし、自分自身はコントロールできます。
自分の思考、感情、行動は、自分の意思で変えることができます。
もし、自分がコントロールできる範囲のことに意識を向け、
穏やかで生きやすい自分になることができれば、
結果として、相手に変わってもらう必要はなくなるのです。
なぜなら、この生き方、考え方においては
コントロールできない相手の言動は
に過剰に反応しなくなるからです。
「相手を受け入れる」は、コントロールを手放した先に訪れる結果
「相手をあるがままに受け入れたい」と私たちは考えがちですが、
実はその順番が逆なのです。
「自分がコントロールできることだけに集中する」
その結果として、相手の言動に執着することがなくなり、「相手はそういう人なのだ」と、あるがままを受け入れられるようになるのです。
つまり、「相手を受け入れる」ことは、
努力目標ではなく、自分自身がコントロール可能なことに焦点を当てた結果として、自然と辿り着く境地なのです。
相手を変えようとするのではなく、
まず自分自身と向き合い、自分がコントロールできることに意識を向ける。
それが、人間関係の悩みを解放し、より穏やかな生き方を手に入れるための、
最もシンプルで効果的な方法なのかもしれません。