子供の頃、誰もが一度は夢中になったことがあるであろう
アニメ、アンパンマン。
困っている人を助け、
美味しいパンを分け与えるアンパンマンたちの世界には、
実はお金という概念が存在しません。
迷子の子を送り届け、
畑の岩を取り除き、崖から落ちた人を助けても、
アンパンマンは誰からも一円も受け取りません。
しょくぱんまんが街の人々にサンドイッチを振る舞う時も、
ジャムおじさんが愛情込めて焼き上げたパンを届ける時も、
そこにはお金のやり取りは一切ありません。
「損得」という概念がない世界
もし、私たちがお金のある世界に生きている視点で見れば、
「もらう人はもらいっぱなしで、あげる方が損ではないか?」という疑問が湧き上がってくるかもしれません。
しかし、アンパンマンの世界には、そもそも「損得」という概念がないのです。
お金があるからこそ生まれる損得勘定。
それは、時に私たちの行動を歪めてしまうことがあります。
ジャムおじさんがかつて氷の女王に捕らえられた際、
女王は「心の優しいジャムおじさんを宝石にすると美しい宝石ができる」と言いました。
しかし、それに対しジャムおじさんはこう答えます。
「世界で美しいものは私のパンを食べてくれているときのみんなの笑顔。」
ジャムおじさんにとっての喜びは、
お金や宝石といった物質的なものではなく、
自分の作ったパンを美味しそうに食べる人々の笑顔そのものなのです。
パンを「食べる」という行為でさえ、
喜びを与えている。この純粋な関係性の中に、
お金が介在する余地はありません。
お金に囚われた私たちの生き方
アンパンマンの世界は、
私たちがお金にとらわれた生き方をしていることを、
静かに教えてくれます。
人生の本質は、お金というツールではなく、
もっと別のところにあるのではないでしょうか。
本来、私たちが何かをする動機は、
「やりたいから」「喜んでもらいたいから」といった内発的なものであるはずです。
しかし、お金に囚われた社会では、
いつの間にか「儲けたいからやる」という目的が優先されてしまうことがあります。
もちろん、生きていくためにはお金は必要です。
しかし、お金を追い求めるあまり、本当にやりたいことや、人との温かい繋がりといった、もっと大切なものを見失ってしまうとしたら、それは本末転倒と言わざるを得ません。
アンパンマンから学ぶ、生きるということ
アンパンマンのひたむきな姿を見ていると、
「自分も本当にやりたいことを大切に生きたい」という気持ちが湧いてきます。
誰かの笑顔が見たいから、困っている人を助けたいから、ただそうしたいから行動する。その純粋な動機こそが、私たちを豊かにしてくれるのではないでしょうか。
これこそが、「愛と勇気」の世界観
損得勘定ではなく、
お金にとらわれることなく
誰かの役立ちたい喜んでほしいという「愛」と
それを貫く「勇気」
お金は、あくまでそのための手段の一つ。
目的を見誤らず、本当に大切なものを見つめながら生きていきたい。
アンパンマンのシンプルな世界観は、
そんな大切なことを改めて教えてくれるのです。