目先の収入より「経験値」を選べ!私の人生を変えた2つの地獄と気づき

カウンセリング「大人の学校」

「収入が減るのは怖い」「給料は高ければ高いほどいい」
――誰もがそう考えるでしょう。私も以前はそうでした。

しかし、今、私が断言できるのは、
「目先の給与を一時的に下げてでも、自分を高める経験を積む方が、
結果として圧倒的に大きな豊かさをもたらす」
ということです。

これは単なる精神論ではありません。
私自身の、決して楽ではなかった2つの経験から得た、揺るぎない結論です。


地獄の半年間:月収6万円からの「人間改革」

看護師を辞め、障害福祉の立ち上げに携わるために、
ある方(Aさん)のもとで働くことになりました。

表向きは管理者の仕事。
しかし今思えば、それは私の「人間改革」の期間でした。

Aさんは神奈川県にいたため、仕事は基本的にリモート。
与えられた仕事は「レポート作成」でしたが、
これが想像を絶するほど厳しいものでした。

たった2日で未経験の分野を調べ、
理解し、しかもそれを相手の立場に立って、
思いやりをもってまとめることを求められました。

「この文章は相手の立場に立って書いていない」「思いやりがない」「この内容で私からお金を取るんですか?詐欺師だ!」
――どんなに一生懸命やっても、Aさんからは常に厳しい言葉が返ってきました。

時には「サボっている」とまで言われ、
昼夜問わずレポート修正に明け暮れる日々。

2ヶ月以上OKが出ないこともザラで、
寝る時間以外はPCに向かっていた記憶しかありません。

そのうち、仕事ができないと判断され、社員からパートに降格。
さらに「この内容だったら時間給も払えない」と勤務時間まで減らされました。

朝から晩まで働いても月収はわずか6~7万円。
前年の所得からの税金は容赦なく引かれ、貯金はみるみる減っていきました。

最終的には、寝る時間を削って生活のために4つの仕事を掛け持ちするようになり、
ヘルニアになる、アトピーが悪化する、常に刺されるような原因不明の痛みに襲われるなど、心身ともにボロボロでした。

この地獄のような半年間をなんとか乗り切り、
その仕事を辞めた後、私は新たな職場で驚くべきことに気づきます。

「あれ?周り、全然仕事できなくない?」

以前の私なら当たり前に感じていたはずの職場の状況が、
まるで別物に見えたのです。

「なんでこんなこともわからないの?」「こう見ればいいのにな……」と、
知らない間に、私の「仕事の見える化スキル」や「課題解決能力」が格段に上がっていたことを実感しました。
あの厳しいレポート作成が、私を圧倒的に成長させていたのです。

※実はAさんにはとても感謝しています
 当時の私は、他責、依存、自分の人生から逃げ回っていました。
 承認欲求を満たすため、周りを使ったり、大きな口を叩いたり
 でも、中身が伴っていない。そんなことを薄々気付いていたのに
 現実を変えることができずに行き詰っていました。
 
 そんなのとき、私に嫌われても
 私を根本から変えようとしてくれていたんだろうなと・・・
 今ではそう思えるからです。


「休むのは悪」だった私が社長になるまで

その後、現在の会社では、最初は社員として採用されましたが、わずか1ヶ月で専務に昇格。
そして、前社長に私の働きを認めていただき、
最終的には会社を譲り受ける形で、社長になることができました。

専務になってからの3年間も、またしても激務の日々でした。
銀行融資や助成金・補助金、税理士関係以外の、
会社のありとあらゆる仕事を任されました。

売上を上げるために朝から晩まで働き、
夜勤明けでも緊急の呼び出しがあれば駆けつけ、
行政対応、利用者さんのいざこざ……。
休む間もない生活でした。

この時も、「休むことは悪だ」という思い込みに囚われていました。
布団で寝た記憶がなく、いつの間にか寝落ちして朝を迎える、そんな毎日。

「社長のために」「会社のために」と必死でしたが、
今思えば「認められたい」「自分はできていると実感したい」「褒められたい」という、私のエゴが原動力だったのかもしれません。

しかし、その結果、会社を譲り受けるという最高の形で報われました。
現場で支援し、夜勤もこなし、その合間に会社の仕事をする、という過酷な生活は、
私に障害福祉の制度、現場の利用者の状況、そして経営の考え方を、
自然と叩き込んでくれました。

社長になる時、「これならできるだろう」と自然に思えたのは、
この経験があったからです。


目先の給与ではない、経験がもたらす「本当の豊かさ」

これらの経験を経て、私の「脳の使い方も」大きく変わりました。
以前は「休むのは悪」と思っていた私が、
今は自分を十分に休めることに意識をシフトしています。

休むというより、正確には私自身が自分と向き合うことに多くの時間を使っています。
その気付きから、私自身が、変化、成長、挑戦、積み上げていくことが
結果として会社をよくし、従業員や利用者さん、世の中に価値を循環させることができると
確信しています。

当然ですが、従業員には絶対に無理な残業はさせず、
早く帰すことを徹底しています。
※前社長を批判しているわけではありません。
 むしろ、自分を育てようとしてくれたことに
 今でも感謝しています。

確かに、社長として業績が落ちれば自分の給与を下げなければならない側面もあります。
しかし、私は今、自分の給与を自分で決めることができる立場にいます。

これは、目先の給与を追うのではなく、
一時的に収入が減っても自分の経験や価値を高めることに投資した結果だと確信しています。

あの地獄のような半年間や、体を壊すほどの激務は、
決して他人に勧められる経験ではありません。

しかし、今の私にとって、それは何物にも代えがたい「ギフト」です。
あの経験がなければ、今の私はありません。

もしあなたが今、目先の収入と、自分の成長につながる経験との間で迷っているなら、
どうか立ち止まって考えてみてください。

一時的に給与が落ちたとしても、
「自分の経験と価値を高めること」 に焦点を当てること。

それが、結果としてあなたに本当の豊かさと、
どこまでも広がる可能性をもたらすはずです。

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