「自分の弱さを受け入れる」とはどういうことでしょうか。
完璧ではないこと? そうかもしれません。
私たちは皆、完璧ではありません。
寿命があり、1日は24時間という限られた時間の中で生きています。
活動するための睡眠時間すら、ある意味では弱さと言えるかもしれません。
あのヒーロー、ウルトラマンでさえ、
強大な力を持つ一方で、地球にいられるのはたったの3分という弱点を持っています。
少し目を向ければ、
私たちの日常には、当たり前に受け入れているけど「できないこと」「足りないこと」、
つまり「弱さ」が溢れています。
鳥のように空を飛ぶことはできないし、
クジラやイルカのように自由に海を泳ぎ回ることもできません。
孫正義さんのような革新的な会社を創ることも、
ビル・ゲイツさんのような莫大な資金力を持つことも、多くの人には難しいでしょう。
もっと身近なことでも、
「大切な人に素直に愛を伝えられない」
「目の前の素敵な人に声をかける勇気がない」
「大切な人を大切にしたいのに、どうすればいいかわからない」といった、
もどかしい弱さを抱えているのではないでしょうか。
自分の身体だって、
どこかしら不調を抱えていることが多いものです。
無自覚に受け入れている「弱さ」たち
こうして考えると、
私たちは生まれた時から、すでに多くの「弱さ」を抱え、
それを受け入れながら生きていると言えます。
完璧でありたいと願う人でさえ、
完璧になれないという現実を、
無意識のレベルで受け入れているのではないでしょうか。
私たちは、特定の部分にだけ焦点を当て、執着し、
「こうあるべきだ」という理想の形にしようと必死になっているだけなのかもしれません。
目の前の相手に「こうしてほしい」「こう言ってほしい」と期待したり、
困っている人を助けたいのに、相手が自分の意見に耳を傾けてくれなかったり、
良かれと思ってアドバイスしても抵抗されたり。
そんな時、私たちは無力感という「弱さ」を痛感します。
無力感の先に見える、本当に大切なもの
では、そんな「弱い」私たちに、
一体何ができるのでしょうか?
相手の行動を変えることはできません。
結果や環境を思い通りにすることも難しい。
そんな中で、私たちが唯一コントロールできるのは、
「自分自身」です。
そして、その「自分自身」がもたらすことができる影響力なんて、
ほんのわずかなものかもしれません。
それこそが、私たちの「弱さ」なのかもしれません。
※自分以外の相手や結果、環境をコントロールできない事が
人間の最大の「弱さ」です。
しかし、その「弱さ」を受け入れた時、
私たちは初めて、本当に守りたいものに焦点を当てる強さを
持つことができるのではないでしょうか。
※人間に寿命と時間がある限り
自分が影響を与えられる範囲など限られています。
目の前の人を幸せにしたいと願うなら、
時に、抵抗されようが、誰かに嫌われようが、
嫌なことを言わなければならない場面もあるかもしれません。
※目の前の相手の幸せのために
自分ができることをする。
相手はコントロールできないから、
自分には正解はわからない。うまくいかないこともある
でも、そこから逃げず、うまくいかないことで傷つかないように正当化せず
挑戦していくことが大事。
それでも、今自分にできるに集中する。
自分の力は小さい。
でも、その小さな力が、誰かの心に小さな光を灯せるかもしれない。
自分がコントロールできる範囲は限られている。
でも、その限られた範囲で、自分が本当に大切にしたいものを守り抜く。
それこそが、私たちが持つ「弱さ」を受け入れた先に得られる、
真の強さなのではないでしょうか。
完璧ではない自分、無力さを感じる自分。
そんな「弱い」自分を認め、受け入れることから、
本当に大切なものを見据え、そこに力を注ぐ勇気が生まれてくる。
私たちは皆、弱い存在です。
だからこそ、その弱さを知っているからこそ、
他者の弱さに寄り添い、本当に守りたいものを見つけることができるのだと信じています。


