先日、会社の部下への指導に関するご相談をメールでいただきました。
詳細についてはプライバシーに関わるため伏せさせていただきますが、
ご本人にはご了承いただき、
この件を通して私が常々考えていることを共有したいと思います。
まず、大前提として私が常に心に留めていることがあります。
それは、「相手を変えることはできない」ということです。
私たちは、他人の行動や考え方を自分の意のままにコントロールすることはできません。
一見、自分の言葉によって相手が変わったように見えることもあるかもしれません。
しかし、それは相手があなたの言葉を受け止め、
自らの意思で変化を選択した結果に過ぎません。
あなたが直接的に相手を変えたわけではないのです。
この点を誤解してしまうと、
「自分はすごい人間だ」「周りの人を動かせる」といった錯覚に陥り、
強引な態度で周囲をコントロールしようとしてしまう危険性があります。
私が部下に対してできることは、
あくまで「仕事の必要性を伝える」ことまでです。
その必要性を理解し、行動に移すかどうかは、
最終的にはその人自身の判断に委ねられます。
もし、仕事に取り組まないのであれば、それは会社の評価という形で、
その人に結果として返っていくでしょう。
世の中は常に循環しています。
良い行いをすれば良い結果が、そうでない行いをすれば相応の結果が、
巡り巡って自分自身に返ってくる。まさに「因果応報」「すべては自分」です。
ですから、たとえ指導というきっかけを与えたとしても、
こちらが力づくで相手を変えようとしたり、変えなければならないと執着したりすると、
関係性はこじれ、良い結果には繋がりにくいものです。
私が意識しているのは、「自分にできる範囲のことを精一杯行う」ということです。
それは、相手に理解してもらえるように、伝え方を工夫したり、
相手の状況に配慮したり、思いやりを持って接したりすることです。
もちろん、最善を尽くしますが、
それでも結果が出るかどうかは常に不確実です。
なぜなら、結果は自分がコントロールできるものではないからです。
だからこそ、結果に過度に執着せず、自分のできることに集中することが大切だと考えています。
今回の相談を通して、
改めて「相手を変えるのではなく、自分自身がどう関わるか」という視点を持つことの重要性を感じました。
皆さんの職場や人間関係においても、この考え方が少しでも参考になれば幸いです。