人間の悩みの9割は、人間関係に関するものだと言われています。
家族、職場、友人、近所づきあい……さまざまな場面で人との関係が生まれ、その中で私たちはストレスやモヤモヤを感じてしまいます。
でも、なぜこんなにも人間関係は難しくなるのでしょうか?
結論:人間関係を難しくしているのは「執着」
一言で言えば、相手に執着しているからです。
「執着なんてしていない」と思うかもしれません。
でも、こんなふうに思ったことはありませんか?
- 「あの人はこうするべきだ」
- 「この言い方はおかしい」
- 「あの人は変わるべきだ。助けてあげないと」
一見すると正義感のある発言に見えるかもしれませんが、
これは「相手を自分の理想どおりに変えよう」とする気持ち。
つまり、執着なのです。
そしてそれは、相手と自分の“線引き”ができていない状態とも言えます。
自分と相手は違う。だからコントロールできない
私たちは自分の行動や考え方はある程度コントロールできますが、
相手のことをコントロールすることはできません。
たとえそれが親子であっても、です。
実際、自分が誰かに「こうしなさい」と押しつけられたら嫌ですよね?
それと同じように、相手もまた自分の人生を生きている存在であって、
自由に考え、選ぶ権利があります。
これは特に、身近な人に対しては、
つい「こうあってほしい」「分かってほしい」と思ってしまいがちです。
そこには、正義感や親切心だけでなく、支配欲やコントロール欲が隠れていることもあります。
この状態が続くと、人間関係はギクシャクし、
トラブルに発展することも珍しくありません。
国同士の関係も同じ。ロシアとウクライナの例
これは個人同士の問題だけではありません。
たとえば、現在も続いているロシアとウクライナの戦争も、
根本はお互いの主張が違うことにあります。
それぞれが「相手の態度を変えさせよう」として譲らず、
ついには武力という手段にまで及んでしまいました。
頭の良い国のリーダーでさえ、
「自分と相手の線引き」ができず、執着してしまうことで、
大きな悲劇が起こってしまうのです。
「私は私」「相手は相手」の線引きができれば、関係はラクになる
大切なのは、「自分は自分、相手は相手」としっかり線引きをすること。
相手を変えることはできませんし、相手に従わせる必要もありません。
同時に、自分もまた、誰かにコントロールされる存在ではないということを忘れてはいけません。
この前提があれば、お互いを尊重し合い、対等な立場で意見を交わすことができます。
たとえ意見が違っても、「そう考える人なんだな」と受け止められるようになります。
好きになれない相手とも、距離を取るだけでOK
世の中には、どうしても好きになれない人、合わない人もいます。
でも、それは自然なこと。
相手を変えようとせず、
必要な距離を取るだけでいいのです。
ちなみに「距離をとる」とは、
しゃべらないとか関わらないようにするととらわれがちですが、
そういうことではなく、執着をしないということです。
確かにしゃべらないことができればいいかもしれませんが、
人間関係の問題のほとんどは身近な人なので、
しゃべらないというわけにはいきませんよね?
まとめ:線引きできれば、人間関係はもっと楽になる
人間関係が難しく感じるのは、
相手に執着し、コントロールしようとしてしまうから。
でも、「相手は変えられない」「私は私、相手は相手」と線引きができれば、
人間関係の悩みの多くは自然と減っていきます。
少しずつでも、自分の中の「執着」に気づき、
手放していくことで、より自由で心地よい人間関係を築いていけるはずです。