私たちは、まるで時間に追われるように毎日を過ごしています。仕事、家事、育児、趣味、親のこと、地域活動……朝から晩まで、まるでタスクリストに追いかけられているような感覚になる人もいるのではないでしょうか。「一体、自分のために使える時間はどれくらいあるんだろう?」と、ふと立ち止まって考えてしまう。
特に子育てをしていると、「自分の時間がない」という嘆きを耳にすることも少なくありません。しかし、少し立ち止まって考えてみましょう。人間はそもそも完璧な存在ではありません。時間も有限です。24時間という限られた時間の中で、私たちは平均して6〜8時間は睡眠に費やします。つまり、実質的に活動できるのは16時間程度。
この限られた時間と寿命の中で、家のこと、仕事のこと、地域のこと、全てを完璧にこなすなんて、土台無理な話なのです。ましてや、私たちは自分のことしかできません。子供のお世話をしたくても、子供にはその日の都合や機嫌があります。仕事だって、自分一人で完結するものではなく、同僚や取引先との連携が不可欠です。
「できない」前提で生きるということ
だとしたら、最初から「何でもかんでもできる人なんていない」と
割り切ってしまうのはどうでしょうか?
逆説的に聞こえるかもしれませんが、
「できないのが当たり前」と捉えることで、
私たちは「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」という焦燥感から解放されます。
できないことをやろうとするから無理が生じ、焦ってしまい、
結果的に一つ一つのことが雑になり、うまくいかなくなる。
そうではなく、「自分にできるのは自分のことだけ」
という大前提に立ち返ってみましょう。
人間は自分のことしかコントロールできないし
1日は24時間しかないし
寿命がある
だからこそ、出来る事なんて最初から限られている。限界がある。
子供のこと、仕事のこと、他人のこと……
私たちは、自分のコントロール外にあることに、多くの時間とエネルギーを費やしがちです。
だからこそ、思うように進まず、疲弊してしまうのです。
焦りからの解放:今、この瞬間に集中する
「できないのが当たり前」。
この前提に立つと、不思議と心が軽くなります。
別に急ぐ必要もなければ、焦る必要もないのです。
今、目の前にある、自分自身ができることに集中する。
子供の笑顔を見たいなら、今できる精一杯の愛情を注ぐ。
仕事で成果を出したいなら、今集中できるタスクに丁寧に取り組む。
※でも、自分のことしかできないので、子供が笑わなかったら
それはそこまで。笑うかどうかは他人(子ども)が決める事なので
自分がコントロールできないから。
あれもこれもと手を広げ、結局どれも中途半端になるよりも、
今、自分にできることに意識を集中する方が、
結果的に良い流れを生み出すはずです。
完璧であろうとする必要はありません。
限られた時間の中で、私たちは精一杯生きている。
できないこと、うまくいかないことがあっても、
それは当然のことなのです。
だから、どうか自分を責めないでください。
「あれもしなくちゃ」という呪縛から自分を解き放ち、
「今、私にできることは何か」という問いかけに耳を澄ませてみてください。
きっと、心穏やかな、あなたらしい生き方が見えてくるはずです。


