正しい答えを言いたがる

カウンセリング「大人の学校」

私たちは、誰かに相談されたとき、
自分の経験に基づいて「こうしたらいいのに」という答えを言いたくなるものです。

自分の経験から得た知恵を
相手に役立ててほしいという思いがあるからでしょう。

しかし、その「答え」を押し付けてしまうことは、
※本人は押し付けているという自覚すらない場合もあるかもしれません。
相手にとって必ずしも良い結果につながるとは限りません。

経験なき知恵は活かせない

例えば、「若い時にお金を貯めた方がいい」というアドバイスは、
多くの人が経験から学ぶ真理です。

しかし、その苦労を実際に経験していない若い人にとっては、
目の前の誘惑に勝るものではありません。

人は、自分が実際に体験して初めて
「あの時、言われたことはこういうことだったのか」と腑に落ちるものです。

経験がないと、どれだけ素晴らしい知恵も、
残念ながら受け取ることができないことが多いです。

自分で決めることの重要性

では、相手が受け取れないからといって、
何も言わないのが正解なのでしょうか?
それはそうではないと思います。

重要なのは、本人が自分で気づき、自分で決めることです。
私たちは、自分の意見とは異なるアドバイスを耳にしても、
結局は自分が納得した道を選びがちです。
これは決して悪いことではありません。

むしろ、自分で決めたことだからこそ、
たとえうまくいかなかったとしても、
他人のせいにすることなく、その結果を受け入れられます。

「あの人がこう言ったからこうしたんだ」と
他人のせいにしてしまうのは、
うまくいかなかった時の逃げ道を作ってしまう行為です。

自分の人生の責任は、最終的には自分で取るもの。
この主体性自己責任の感覚を育むためにも、
自分で決めるという経験は非常に大切なのです。


押し付けない「寄り添い」の支援とは

では、支援する側は、
どうすれば相手に「答え」を押し付けずに、
自ら気づき、決断する手助けができるのでしょうか。

それは、「こうあるべき」という自分の答えを伝えるのではなく、
相手が自ら気づくような「問い」を投げかけることです。

相手のニーズや目標をある程度理解した上で、
その人が「なるほど!」と腑に落ちるような質問を投げかけるのです。

教えるのではなく、質問してが気づきを促す

「私が考えるベストな答えはこれだ」と提示するのではなく、
「どうすれば、この人は自分で気づくことができるだろう?」という視点を持つことが重要です。

これが、真の意味で
相手に「寄り添う」ということなのではないでしょうか。

私たちは、つい自分の経験や知識を披露したくなりますが、
本当に相手のためになるのは、相手の内側から答えを引き出す支援です。

相手が自分の頭で考え、自分で選択し、その結果に責任を持つ。
そのプロセスを尊重することが、何よりも大切なのです。

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