「僕が一番!」「私が一番!」から卒業して、自分だけの道を歩むということ

カウンセリング「大人の学校」

アンパンマンの世界には、
個性豊かなキャラクターたちがたくさん登場します。

その中でも、時折見かけるのが
「僕が一番!」「私が一番!」と
自分の「一番」を主張するシーンです。

カレーパンマンなら「カレーが一番!」、
親子丼ちゃんなら「親子丼が一番!」と、
その自信満々な様子は、ある意味微笑ましいものです。

一方、主人公のアンパンマンやジャムおじさんは、
決して自分のことを「一番」とは言いません。

彼らは、誰かと優劣を競うのではなく、
ただ自分の役割を淡々と果たしています。

「一番」への執着は、生きづらさの根源

自分のことを「一番」と言えることは、
一見、自己肯定感が高いように思えます。

しかし、本当に自信のある人は、
周りに煽られたとしても、
わざわざ「そうだね」と受け流せる余裕があるのではないでしょうか。

そう考えると、声高に「一番」を主張する裏には、
実は自信のなさや不安が隠れているのかもしれません。

優劣を争う生き方は、私たちを生きづらくさせます。
なぜなら、それは常に自分と他人を比較する行為であり、
結果を完全に自分でコントロールすることができないからです。

どんなに自分が優れていたとしても、
競争相手がさらに上を行けば、簡単に「負け」という烙印を押されてしまいます。

「誰かに勝った」「誰かに負けた」という軸で生きることは、
自分の人生の舵を、自分ではコントロールできない領域に委ねることに他なりません。

下にいれば上の存在に圧倒され、
上に立ったとしても下からの突き上げに常に怯える。
優劣の世界で生きる限り、
私たちは常に不安定な場所で生き続けることを意味します。

優劣を手放すための「自分と向き合う」時間

勝ち負けを意識しない生き方が良いと頭では理解できても、
それでもついつい優劣を意識してしまう。
そんな葛藤を抱えている方もいるかもしれません。

その根底には、「他人に負けられない」という
強い思い込みがあるのではないでしょうか。

大切なのは、その思い込みが、
過去のどんな経験から生まれたのか、
そして今の自分にとって本当に必要なものなのかを深く考えることです。

自分と向き合い、自分の思考の癖を見つめることで、
その思い込みが実はもう不要なものだったと気づくことができるかもしれません。

コントロールできるのは「自分」だけ

その上で、私たちが本当に力を注ぐべきは、
「自分のできることに集中する」ということです。

私たちは、自分の影響を与えられる範囲でしか、
物事をコントロールできません。

例えば、好きなサッカーチームが負けたとしても、
私たちが選手でない限り、
その結果を直接的に変えることはできません。

その敗戦に一喜一憂したり、
周りに当たり散らしたりすることは、
自分とは関係のない出来事に自分の感情や行動を振り回される、
不健全な生き方と言えるでしょう。

残念な結果を受け止めつつも、
そこで立ち止まるのではなく、
自分自身がコントロールできることに意識を向ける。
それが、主体的な人生を生きる上で重要な視点です。

「自分」という土台を肯定する

他者との比較や勝ち負けに囚われるのではなく、
自分が「できること」に集中し、その過程を肯定する。

たとえ結果が伴わなくても、
「自分はやるべきことをやった」と胸を張れる。
そんな揺るぎない「自分」という土台を築くことこそが、
他者との無意味な競争から抜け出し、
自分らしい生き方を実現するための鍵となるのです。

アンパンマンのように、誰かと競うのではなく、
自分の信じる道をただひたむきに進む。
そんな生き方こそが、私たちを真の安心と充実感へと導いてくれるのではないでしょうか。

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